マラソンの世界記録とは、42.195キロメートルの距離を最速で走破した記録のことです。この記事では、マラソンの世界記録の歴代記録や現在の最速ランナー、記録を出すための要素などを紹介します。
歴代の男子世界記録
現在、男子世界記録はケニアのエリウド・キプチョゲ選手が保持しています。2時間1分9秒という驚異的なタイムを48回ベルリンマラソンで記録しました。歴代の男子世界記録は、マカウ（ケニア）が2時間3分38秒で樹立して以来、ケニア人が独占しています。また、2019年10月12日、エリウド・キプチョゲ選手がオーストリア・ウィーンで行われた非公式の試みで、2時間を切る世界初の記録1時間59分40秒を樹立しました。
歴代の女子世界記録
女子世界記録は、ブリジット・コスゲイ選手が2019年シカゴマラソンで記録した2時間14分4秒です。これは、2003年にポーラ・ラドクリフ（イギリス）が記録した2時間15分25秒を大幅に更新するタイムでした。歴代の女子世界記録は、男子世界記録よりも長い期間維持されることが多い傾向にあります。
最速ランナーのペースとラップ
男子世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ選手の平均ペースは、毎キロメートルを2分52秒で走りました。彼はラップタイム（5キロメートルごとのタイム）を14分10秒でクリアし、最後の5キロメートルを14分1秒で走りました。女子世界記録保持者のブリジット・コスゲイ選手は、平均ペースを毎キロメートル3分10秒で走り、ラップタイムは15分38秒でした。
2時間切り
2019年、ケニアのエリウド・キプチョゲが非公式ながら、世界初の2時間切りを果たしました。これは平均ペースで1マイル（約1.61キロ）を4分34秒以下で走り、42.195キロを1時間59分40秒で走り抜いたという偉業です。キプチョゲは、2時間切りを目指すためにナイキ社が開発した特別なランニングシューズ「Nike Air Zoom Alphafly Next%※」のプロトタイプを履いていました。このシューズは、炭素繊維のプレートを複数内蔵し、反発力が高く非常に軽量な反発素材を用いており、ランナーによるエネルギー効率を高めるとされています。※一般モデル化の際に炭素繊維のプレートを1枚に変更、ミッドソール素材の厚みも大会後に施行された陸連規定を満たすよう最適化されました。
まとめ
マラソンの世界記録は、日々進化し続けています。非公式な2時間切りに代表されるように、人類の限界に挑戦するランナーたちは、最先端の科学技術やトレーニング方法を駆使して、常に新たな偉業を成し遂げています。今後も世界記録が更新され続けることが期待されますが、健全かつ公正な競技環境が維持されるよう、関係者たちは常に取り組んでいく必要があります。