ナイキの厚底に新モデルが登場!「アルファフライ」は東京五輪でも使えるらしい。

装備・アイテム

2/6(木)の未明に、世間をざわつかせた「ナイキの厚底」に新モデルが発表されました。

好記録を連発し、世界陸連が新たな規則を設定するという問題にまで発展した「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」の後継となる本作。

その名は「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト% 」

2019年10月に非公認ながらマラソンでサブ2を達成した時にエリウド・キプチョゲ選手が履いていた超厚底のプロトタイプを市販用に改良したものとされています。

プロトタイプ版は陸連が新たに定めた複数プレートの使用禁止や、厚さは40ミリ以内といった規定を逸脱していたと見られていますが、市販モデルではこれらの課題が解決されているとのこと。

さっそく詳しく見ていきましょう〜

陸連の規則をクリア

先日、世界陸連がレースで使用するシューズについて新たな規則を定めました。

  • 複数プレートの使用禁止
  • 厚さは40ミリまで
  • レースの4ヶ月前までに一般購入出来ること

新作のアルファフライが規則に抵触しているか確認してみましょう。

厚さ

40ミリ以内の新規定に対して、39.5ミリ。ギリギリですがクリアしてますw 明らかに規定に沿って合わせてきたということですね。

厚さはプロトタイプ版では40mmを超えていたと言われていますので、少し薄くなったことになります。

それでもヴェイパーフライ ネクスト%よりは分厚くなっていますので、ショックの吸収・反発力は向上していると言えるでしょう。

プレートの枚数

カーボンファイバープレートはプロトタイプ版では複数枚の使用が噂されていましたが、市販モデルでは1枚のみで前作と同じ。新規定をクリアしています。

性能面への影響ですが、プレート一枚のヴェイパーフライの実績がたくさんありますので、問題ないでしょう。

発売の時期

2/29(土)にオンラインで限定販売を予定しているとのこと。新規定ではレースの4ヶ月前までに発売されていることが使用条件として定められましたので、これをクリアするための先行販売と思われます。

以上により、新たな規則に明らかに抵触しているとは言えないため東京オリンピックで使用可能となる見込みです。

前作からの主な変化

エアーポッド

前足部にエアーポッドと呼ばれるショック吸収&エネルギーリターンを助ける装置が設置されました。

ショック吸収して反発させる際のエネルギーリターン率はカーボンプレートよりも高いとのこと。

しかもズームXより耐久性があるらしく、ヴェイパーフライシリーズの大きな課題であったシューズの寿命を延ばすことにも一役買っているそうです。

カーボンプレートがむき出し

前足部の底から見るとプレートが見えるようになりました。形も前足部を広くして安定性を高めているのだそう。

アトムニット

アッパーには、前作のヴェイパーウィーブよりも通気性と耐久性を高めたアトムニットを採用。

ニット素材となれば気になるのはフライニットのように雨を吸収することによる重量の増加。

しかしアトムニットは水分を吸収しにくく、雨への配慮もされているそうです。

グリップ向上

アウトソールのパターンも大幅に見直され、濡れた路面でのグリップもさらに向上しているようです。

インパクトのある見た目

色はフレッシュグリーンを基調として前作よりも落ち着いた印象ですが、いやが応にも目を惹くエアーポッド、分厚いカカト部、土踏まず部の切り込みなど、さらにダイナミックな形状に変化しています。

重量増

詳細はまだ不明ですが片足で200gを超えるそうです。前作は200gを切っていましたので20g前後の増加となります。

しかし2008年にゲブレシラシエ選手が初めてマラソンで2時間3分台を記録したときのシューズは220gほどありましたので、200gという重量はマラソンでタイムを狙うには十分に軽いと言えるでしょう。

前作から変わらない点

ズームXとカーボンプレートの採用

前作と同じく、とても軽量でショック吸収力と反発性に優れたズームXとカーボンプレートの黄金コンビが、今作でも基本コンセプトを支えています。

ドロップ差

見た目はとてつもないインパクトですが、前後の厚みの差、すなわちドロップ差は前作と同じく8ミリとなります。

ミッドフット、フォアフット着地での性能の発揮を狙いとしたシューズとなっています。

シューレースの位置

中心からずらして配置することで、足の圧迫を軽減しています。

空気抵抗を抑えるカカトのとんがり

空力に配慮した形状にすることで、空気抵抗を減らしています。

気になる価格は?

より分厚く、エアーポッドも配置して反発性と耐久性を向上させた本作、価格は現時点では未定となりますが、恐らく前作からお値段据え置きとなるのでは、と見られています。

理由は、陸連の規則によるシューズの使用条件の中に「入手のしやすさ」も含まれており、値段が上がると規則に抵触するリスクがあるからです。

前作までのお値段であれば、既に実績があるため問題にはなりません。

今作は東京五輪での使用をターゲットにしていることは明白であるため、価格の変動はなしとなる可能性が高いと言えます。

夏にシリーズ作品をリリース

エアーポッドを配したシリーズ作品が今夏に発売となるそうです。

トレーニングモデル2種

アルファフライのトレーニングモデルとして2種類のリリースも発表されました。

「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%」はアルファフライのDNAを継承しつつ、プレートは柔らかい素材、クッショニングもリアクト素材を使用しており、耐久性を向上させつつ足に優しい設計となっています。

そして、着脱のしやすさと固定感にこだわった「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト% フライイーズ」も同時リリース予定。

短距離、中距離用のスパイク

トラックレース用のスパイクも登場する予定です。

「ナイキ エア ズーム ヴェイパーフライ」は短距離用。踵の厚さが規則に抵触している可能性があり発売までに見直される模様ですが、まるで宇宙船を思わせるかのような近未来感。

どんな記録を生み出してくれるのか今から楽しみですね。

そして「ナイキ エア ズーム ヴィクトリー」は中距離モデルとなります。

ドーハの世界陸上で本作のプロトタイプ版を履いたハッサン選手が女子1500mと10000mで2冠を達成し、その性能は実証済み。

いずれもズームX、カーボンプレート、エアーポッドを備えています。

まとめ

すでに実績のある技術をベースにしながら新たな進化を遂げたラインナップ。

ロード、トラックともに記録をさらに量産し、一般ランナーへの浸透もますます広がることでしょう。

トップランナーの足元にグリーンのナイキロゴが輝く東京五輪が、リズムの良い足音を立てて近づいてきました。