ランニングの記録向上や健康促進のために、心肺機能を向上させることはとても有効です。
心肺機能を高めると以下のようなメリットが得られます。
- 太りにくくなる
- 持久力がつく
- 肌のツヤが良くなる
- 冷え性が改善する
運動中により多くの酸素を取り込むことができるようになり、持久力が向上します。
また、基礎代謝が上がることにより太りにくくなり、健康・美容促進効果が期待できます。
では、そもそも心肺機能とは何でしょうか?
ランニングなどスポーツにおける心肺機能を簡単に言えば「酸素を筋肉などの組織に供給する能力」といえるでしょう。
運動を続けるためには定常より多くの酸素を組織に供給し続ける必要がありますが、運動量が多ければ多いほど供給量も比例して増やさなければなりません。
しかし単純に呼吸の回数を増やしたり、大きく息を吸い込めば解決するかと言えばもちろんそれで全てをカバーすることはできません。
一呼吸で得られる肺活量を増やしてより多くの酸素を摂取する力と、より多い血流を身体中に巡らせる心臓のポンプ力、また血液に含まれる酸素を体の隅々まで届ける毛細血管の発達が重要になってきます。
- 酸素を取り入れる肺活量
- 血流を送り出すポンプ力
- 酸素を届ける毛細血管の発達
これらを向上させるために具体的にどのようなトレーニングを行うかを見ていきましょう。
大きく次のA、Bの2パターンに分けることができます。
トレーニングA:心臓、肺に負荷を加えて上限値を引き上げる。
トレーニングB:体の隅々まで酸素を行き渡らせる力を引き上げる
しかしいずれも決して楽ではありません。体の能力を変化、向上させるわけですから当然ですよね。
頻度はいずれも週に一回くらい。これらを交互に合わせ技で取り組んでいくことで心肺機能を向上させていきましょう。
トレA : 心臓、肺に負荷を加えて上限値を引き上げる
時間を区切って、息がゼーハーと切れるくらいの状態まで追い込むトレーニングとなります。
最大心拍数の80%以上に到達させるように取り組みましょう。
最大心拍数は、概ね下記の式で算出されます。
最大心拍数 = ( 220 – 年齢 ) bpm
水泳
ジムやフィットネスクラブのプールが利用出来る方は、定時退社日や週末を使ってスイミングをすると良いでしょう。
全身運動であると同時に呼吸を制限しながらの活動となりますので、特に肺活量を高める効果が期待できます。
また、ランニングと比べて膝などの関節に衝撃がかからないため、故障の予防になります。
故障してしまった場合も、治癒を早めて体力の低下を防ぐことが出来ますので、日常のトレに組み込む事をオススメします。
平地でのトレ
平地のランニングで言えば、インターバル、ビルドアップ、ペース走などがあります。
過去の記事を参考にして頂ければサクッと理解いただけると思います。
高低差を利用したトレ
坂道や階段などの高低差を利用すると、平地に比べて簡単に心肺機能を追い込むことができます。
- 坂道ダッシュ
- 階段昇降
- トレイルラン
坂道ダッシュ
ウォーキングやジョグで10分くらい体を温めてから、坂道をダッシュで5〜10本くらい登ります。距離は30〜50mくらいで良いでしょう。
普段のジョグ終わりにウインドスプリントの代わりとして実行するのも良いでしょう。
間のつなぎを歩きからジョグに変えると、距離が短めのインターバルとなり、さらにトレの効果が高まります。
階段昇降
ビルやマンションを利用して5F以上まで上がることを一本として、3〜5本を目標に取り組みましょう。
先ほどと同じくウォーキングやジョグで10分くらい体を温めてから実施するか、1本目はゆっくり上るほうが無難です。
2本目から徐々にスピードアップしていき、急激に心拍数を上げすぎないように注意しましょう。3本目以降で息が切れるように取り組みます。
トレイルラン
トレイルランといっても、登山+αで走れる区間があれば走るくらいの感覚でOKです。
特に上り区間は、気持ち速めに歩くなど少し意識頂くだけで簡単に心肺機能を追い込むことができるのでおススメです。
近くに山がある方は是非取り組んでみてください。
自宅付近で手軽に行うトレ
また自宅付近で簡単に取り組めるトレとしては、段差昇降や縄跳びなどがあります。
段差昇降
段差に右足を乗せたあと左足を乗せ、次に右足を下に下ろしたら左足を下ろす、という動きを繰り返します。
自宅階段の1段目を利用すると比較的安全に取り組め、退屈しのぎに正面にスマホを置くことも出来ますのでおススメです。
縄跳び
トップアスリートも基礎トレとして取り組んでいる縄跳び。
自宅付近で手軽に取り組めて、ジャンプ力、腕力、バランス力を高めつつコスパの面でも優れているトレです。
飛び方や回数を定めて目標とする事で、継続もしやすくなります。
トレB : 体の隅々まで酸素を行き渡らせる力を引き上げる
心肺機能を追い込まずに、会話しながら長時間継続するトレーニングとなります。
いずれのトレも2時間以上継続して動き続けるように取り組みます。
これにより毛細血管を発達させることができ、マラソンで言う「30kmのカベ」への対応力を高める効果が期待できます。
LSD
ランニングで言うと、LSDが該当します。
Long Slow Distance の略で、文字通り「ゆっくり、長く」走るトレーニングです。
こちらの記事でより詳しく紹介しています。
山歩き
トレランとは違い、走らず歩くように心がけて、長い時間体を動かし続けるように取り組みます。
傾斜を利用すると息が上がりやすくなりますので、特に登りはゆっくりを心がけましょう。
走らなくてもOKですが、立ち止まらないように注意します。
山道を歩くときには、平地よりも脳をよく使うことが知られており、老化防止にも役立ちます。
サイクリング
サイクリングは初期投資が必要ですが、水泳と同様に関節への衝撃が少ないため故障予防や、故障時のトレとして活躍してくれます。
ランニング以上に様々な場所に連れて行ってくれ、景色を楽しませてくれるツールですので気長にトレーニングに取り組むには持ってこいですね。
LSD、山歩きと同様に息が上がらない程度で動き続けるようにしましょう。
トレーニングAとBを組み合わせる
ここまでに以下2種類のトレを紹介しました。
- トレーニングA:心臓、肺に負荷を加えて上限値を引き上げる。
- トレーニングB:体の隅々まで酸素を行き渡らせる力を引き上げる
そしてこれらを組み合わせることで、より高い効果を得ることが期待できます。
- 1日目:トレーニングA
- 2日目:トレーニングB
これだけです。どういう組み合わせにするかは、選び放題です。
3日目も軽いジョグができることが望ましいので、土日休みであれば1日目を土曜日に設定すれば取り組みやすいかと思います。
ただし、大切なことは続けることとなりますので、初めから無理の無いトレを設定することが大切です。
楽しくなければ挫折しがちになってしまいますので「楽しい!」をキーワードに続けることができそうな組み合わせを模索して自分のものにしみてください。